この方法は、培養した骨格筋細胞やラットを用いた実験で、温熱刺激(38℃以上)により筋肉量増加が誘発される現象が観察されたことに端を発します。最近の人を対象とした研究の結果、人でも同様の効果が認められることが明らかになりました。片方の腕に温熱加温と1kgのダンベルを持って腕の曲げ伸ばし運動30回を実施し、比較のために反対の腕にはダンベル運動のみを、10週間継続して実施したところ、運動だけの場合は筋力が11.5%アップした のに比べ、運動に温熱を併用した場合は18.4%アップすることが示されました。また筋力アップの原因を調べるため、上腕二頭筋の太さ(断面積)を測定したところ、運動だけの場合は0.3%増加でほとんど変化が認められなかったのに対して、運動に温熱を併用した場合は7.5%の増加が認められました。このように、温熱シートによる筋肉の加温と軽い運動の組み合わせで、筋肉が効率的に増強することが明らかになっています。 |
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| 膝や腰に障害があるなどで運動トレーニングができない方々が、運動したのと同じ効果を享受するための手段として、電気刺激により他動的に筋を収縮させるという方法です。 いわゆる低周波治療器のような機器で太ももの前の筋肉に電気刺激を与えて筋を収縮させるわけですが、運動したときの筋肉の使われ方と若干異なるため、むしろ筋肉量を増やすには有効であるという可能性も指摘されています。最近の研究では、電気刺激を20Hzで20分間続けることにより筋肉のエネルギー消費や糖代謝が明らかにアップすることが示され、生活習慣病予防への効果も期待されています。 |
| これらはすべて、低負荷・短時間で効率よく最大限の効果を引き出すことを目指したトレーニング方法で、従来の高負荷によるけがのリスクは少ないと考えられます。 | |
| しかし安全性に関しては十分なデータがなく、現時点では自己流で行なうべきではないと考えます。興味のある方は、それぞれのトレーニング方法に精通している指導者がいる施設で指導を受けて行なうようにしましょう。 将来的には、これらの新しい考え方に基づく科学的なトレーニング方法をうまく組み合わせることで、安全かつ短時間で筋肉を増強できる極めて効果的なトレーニング方法が開発されるでしょう。 |
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同志社大学スポーツ医科学研究センター
教授 高波嘉