京都府立医科大学東洋医学講座の三谷和男先生から、未病・予防医療とも関連の深い、漢方・東洋医学の考え方をわかりやすくお伝えいただきます。
【三谷和男先生 プロフィール】
「漢方講座」を担当させていただく、京都府立医科大学東洋医学講座の三谷です。漢方・東洋医学の考え方を、できるだけ平易な表現でお伝えできればと思っています。
2007年12月 その1(1/2)
聞診は、患者さんの声を聞き、吐息などの臭気を嗅ぐことから病態を理解します。
音声には言語、呼吸、咳嗽(がいそう:せきのことです)などがあり、感情の起伏と関係があります。
読者の皆さんもおわかりのように、楽しい時、悲しい時、それぞれの心のありかたによって声は変化しますね。
「おはようございます。今日はどうされましたか?」
「・・・」
もう診断学はスタートしています。
「先生、聞いてください。実は、先週・・・」いっぱい話したくってたまらない方、「ええまあ・・・ああ・・・うん・・・」と重い口をなかなか開こうとされない方、本当に十人十色です。ただ、一時的な怒りによる「急」声、うれしい時の「和」声などは病態と直接には関係しないと考えています。
言葉をあまり話したがらない、声が小さくて話がとだえる、いろいろお話いただくんだけれど、前後の続きがはっきりしなくて、同じことを二度も三度もくりかえす、こういった方は虚証と考えます。
これに対して、言葉がはっきりとよく通り、身を乗り出して積極的にお話される方は実証でしょう。患者さんの勢いによって診察室の雰囲気は変わります。
私は、明るく、いきいきとした外来診療を心がけていますが、静かな雰囲気の方にはこちらも穏やかに接しています。臭気の判断は、環境的な要因に分けて考えます。口臭も、消化不良によるものか、あるいは、歯科領域(むし歯や歯槽膿漏)、耳鼻科領域(ちくのう症)、あるいは呼吸器疾患によるものか、を考えます。