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漢方講座

 

三谷和男先生 プロフィール
「漢方講座」を担当させていただく、京都府立医科大学東洋医学講座の三谷です。漢方・東洋医学の考え方を、できるだけ平易な表現でお伝えできればと思っています。

2007年6月 その1(1/2)

患者さんを看ること

 今日の患者さんは…
さて、医者が患者さんを診る、ということはどういうことでしょうか。「ええ?何を今更・・・先生どうかされましたか?」と思われるかもしれませんが、まあ聞いてくださいね。
私は患者さんを診察するとき、いろいろなお話をさせていただきます。例えば、「今日は何時に起きましたか?」
「毎日便は出てますか?」
「昨日は仕事で無理したんとちがう?」
「嫁がれた娘さん、顔をみせてくれはりますか?」
「奥さんに感謝の言葉かけてますか?」等々。
こういった雑談のような、一見何気ないお話が、実は大切なんです。患者さんの日常が、かなりはっきり浮かび上がって、その方の生活全体がイメージできる、このことが漢方・東洋医学の治療の第一歩になるのです。

カゼで患者さんが来られたとします。
「先生、からだがガタガタふるえて仕方がありません。熱も高いし、
それに頭も痛いんです。」
「たいへんですね。それはいつからですか?」
「そうですねえ、夕べからでしょうか。」
「ご飯ちゃんと食べてるの?」
「そうですねえ、食欲はあります。」
「そうですか・・・じゃあ、べーっと舌を出して下さい。」
「べーっ」
「全般的に紅色が強いですね、それに先の方ほど紅いし、乾燥傾向にありますね。」
「先生、私大丈夫なんですか?」
・・・この方が、普段は健康で働き盛り、そして仕事を休める可能性があるならば、葛根湯をお出しして身体を横にしておくだけで、まず大丈夫です。
舌の先端が紅色が強い方なら、これは葛根湯の正証(せいしょう 間違いなく葛根湯が役に立つ方ということです)ですから、これを一?二包飲むだけで発汗が促され、もうその日のうちにすっきりと治っちゃいますね。抗生物質なんか、もちろん要りません。ところが、です。

>>その2 へ続く

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