【三谷和男先生 プロフィール】
「漢方講座」を担当させていただく、京都府立医科大学東洋医学講座の三谷です。漢方・東洋医学の考え方を、できるだけ平易な表現でお伝えできればと思っています。
2007年1月(その1)
さて、昨今は毎年のようにインフルエンザが流行っていますね。
しかし、インフルエンザのウイルスが生体に侵入したからといって、「ああ、やられた」とみんながみんな発病するでしょうか。外からの邪気(いわゆる細菌やウイルスのことです)にばかり目が向いていませんか?
もちろん、それらが病気の原因の一つであることは間違いありません。けれども、「発病」には、生体側の条件も大きく関与しています。
西洋医学は、この外邪に的を絞って薬物が開発されており、そのプロセスにはすばらしいものがあります。しかし、生体側をどう整えていくのか?という発想は弱いです。
漢方治療は、この生体側の内部環境を整えることが大きな役割となります。
どの漢方薬も、「抗生物質」的な考え方はありません。しかし、私たちがカゼのシーズンにもゆったり構えていられるのは、漢方薬の「免疫調整」に大いなる信頼感を寄せていられるからです。
漢方薬に含まれている多くの生薬は、ホメオスターシス(生体を安定した状態に保とうとする働き)を強化・保持することで、生体の防衛力を安定させることになり、疾病の予防につながるわけですね。