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ヘルシー栄養サポート

 

2010年12月

肝臓と食事

肝臓は、腸から吸収された栄養素のほとんどが門脈を経て集まる臓器で、各種栄養素の代謝を営む機能を持っています。肝臓に障害が起こると、各種栄養素の代謝に異常をきたし、血清たんぱく質の合成・分解が低下し、血清アルブミン量が減少し、これらの症状は血液の浸透圧に影響を及ぼします。

主な疾患の食事について述べましょう

*急性肝炎

何らかの原因によって急性に起こる肝障害を急性肝炎といいます。食欲不振が強く、食事の経口摂取が妨げられるので、食欲に応じて少量ずつ、食事回数を増やして、必要なエネルギーを無理なく与えて、不足のエネルギーは輸液で非経口的に投与します。消化能力が低下しているので、消化のよいものを流動食から徐々に固形物に移行します。

*慢性肝炎

肝細胞がウイルス(B型、C型肝炎ウイルスなど)感染による免疫反応などによってダメージを受け、長期間(6カ月以上)にわたって炎症が持続する疾患です。
自覚症状が少ないため、食事摂取は十分可能で、食事内容も健常者の食事摂取基準程度でよいとされています。

1日の摂取エネルギー量は30kcal/kg、たんぱく質1.0~1.3g程度にします。

慢性肝炎の安定期は献立が単調にならないように工夫します。特に消化器症状がない限り、易消化食は避け、食物繊維量にも配慮します(未精白の穀類、豆類、きのこ、海草、野菜、果物など)。また、ビタミン・ミネラルの需要が高まるので野菜、果物、海草などをメニューにしっかりとり入れます。

*肝硬変

肝硬変は肝炎や薬物中毒などによって肝臓が侵され、これが数年から数十年を経て、肝細胞の壊死、線維化し、肝機能が著しく低下する疾患です。肝硬変の食事は、肝臓の侵された程度によって大きく異なります。

代償性の場合、自覚症状は少なく、食欲もあり、肝臓で侵された部分の働きが他の部分で代償されているので、十分な栄養をとることが大切になります。食事療法は慢性肝炎に準じます。

非代償性の場合、食欲不振が強く、食事を摂っても十分代謝されないので、できるだけ患者さんの嗜好をとり入れるようにします。香辛料や香味野菜、酸味などで食欲アップを心がけます。症状が進むと大きく分けて4つの副作用が起きます。

  1. 黄疸が出ている時は脂肪制限(20~30g/日)、消化吸収のよい食品をとります。
  2. 腹水や浮腫のある時は塩分(浮腫の程度によって3~6g/日)や水分を制限します。
  3. 食道静脈瘤がある場合は軟菜食にします。
  4. 肝性昏睡の危険があるときは、たんぱく質を制限(0.5g/体重kg以下)します。

*脂肪肝

脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常に蓄積した状態で、原因は過食とアルコールの多飲が主なものです。主な脂肪肝として、

  1. 過栄養性脂肪肝・・・過食のためにエネルギー過剰になり、肝臓での脂肪合成が促進されて発症する肥満が原因の脂肪肝です。摂取エネルギー量を制限し、標準体重維持を目標にします。満腹感を持たせる調理の工夫や、低エネルギー食品を上手に使う工夫などに留意します。
  2. アルコール性脂肪肝・・・アルコールは中性脂肪の合成を亢進することや、食事をとらないで飲酒する人は、リポたんぱく質の合成が不良となり、脂肪を肝臓外に輸送できなくなります。アルコールは断酒し、栄養素バランスのとれた食事を、特に良質なたんぱく質を十分にとります。
  3. 代謝・内分泌性脂肪肝・・・糖尿病では糖質が円滑に代謝されず、脂肪合成に代謝が偏ってしまうことや、脂質異常症では食事や脂肪組織からの脂肪の動員により、肝臓への供給量が増大することから脂肪肝になります。糖尿病や脂質異常症に準じた食事療法を行います。


◎栄養バランスのとれた食事
豆腐のすまし汁、金目鯛の蒸し物卸しあん、里芋のみそ煮、ほうれん草の磯辺あえ、ごはん (631kcal 塩分3.6g)


肉の単品料理
牛肉のソテー トマトソース 野菜のスープ煮添え
(225kcal 塩分1.6g)

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