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ドクターズアドバイス

 

吉川 敏一先生 プロフィール
京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器内科学教室 教授
・日本酸化ストレス学会(SFRR-Japan) 理事長
・日本抗加齢医学会 理事長 等
<主な著書>
「不老革命」(朝日新聞社)
「ヘルシーエイジングのすすめ」(ブレーン出版) 等

生活習慣で「フリーラジカル」を減らそう ~その3~

前回(その2)に引き続き、生活習慣の改善目標について説明していきましょう。

 環境汚染物質を避ける
私たちの体を蝕む「環境汚染物質」として、最近特に注目されているのがトラックなど大型車のディーゼルエンジンから排出される「ディーゼル小粒子」と呼ばれる化学物質です。このディーゼル小粒子は体の中に入って、フリーラジカルを生み出したり、抗酸化力を低下させたりして、細胞を傷つけてしまいます。
他にもよく話題になる「ダイオキシン」、石油や石炭などの化石燃料が燃やされたときに大気中に撒き散らされる「亜硫酸ガス」などもフリーラジカルの発生源です。
こうした環境汚染物質から生み出されるフリーラジカルは、「花粉症」や「気管支喘息」などのアレルギー性の病気の原因の一つにもなっているのです。
こうした環境汚染物質を避けるためには、空気がきれいな地域に移動したり、室内では空気清浄機などを利用するなどの方法が考えられます。現時点ではこのような対策をとるしかありませんが、実行が難しい場合も多いと思います。
環境問題というとどこか大げさに聞こえるかもしれませんが、アンチエイジングという視点からも、常に感心をもっておかなければならない問題なのです。

脱ストレス・よく眠る
八つの提案の中で、私が最も実行が難しいと思うのは「脱ストレス」です。特に仕事によってもたらされる心理的なストレスは避けようがありません。
ただし、そうしたストレスがかかる場面で、自分がどういう考え方なり行動をするのかによって、ストレスの感じ方が違ってきます。大切なのは「前向きに考えること」です。
そのためには十分な「睡眠」や旅行などの「休養」が必要です。それが不十分になると副腎から分泌される「抗ストレスホルモン」の働きが鈍くなります。
ストレスを感じている限り、抗ストレスホルモンはどんどん浪費されていきます。明日のストレスに対抗できるように、十分に睡眠をとって抗ストレスホルモンの浪費を避けてください。しっかり眠るための方法としては、リラックスできるよう寝室の環境を整えること、就寝二時間前に食べないこと、ゆっくりと入浴することがあげられます。
いま世界中で、健康な100歳以上の人を対象にして、生活習慣を調査する研究が盛んに行われています。それによると「みんな前向きな考え方をしている」「ストレスに強い」という共通点があることが報告されています。100歳の人を見習って、ストレスに負けないマインドを持ってください。
ただし、軽いストレスは「能率の向上」や「意欲の維持」をもたらすことも明らかになっています。要はストレスをため込まないことです。ストレスが蓄積していると感じてきたら、それを「睡眠」や「休養」によって断ち切り、ストレスへの抵抗力を高めておくことが大切なのです。

毎日色の濃い野菜を食べる
この提案をしたのは、抗酸化サプリメントを飲むだけで安心せずに、食事の中でも抗酸化物質を積極的に摂ってほしいからです。
緑や黄色、赤といった色のついた植物は、「フラボノイド」や「カロテノイド」、ビタミン類などの抗酸化物質を豊富に含んでいます。色の濃い野菜や果物ほど抗酸化力が強い、と覚えておいてください。カラフルなものだけではなりません。
黒い色の植物にも抗酸化物質はたくさん含まれています。ごまやひまわりの種も、強い抗酸化作用をもっています。

いかがでしょうか。いくら抗酸化物質を摂り入れても、フリーラジカルを増やしてしまっては元も子もありません。また、フリーラジカルを減らすことを心がけることにより、抗酸化物質の活躍を助けることにもなります。全てを実行するのは簡単ではないかもしれませんが、これらの目標を常に心に留めて、実現に向けて努力をしたいものです。

*標準体重=身長(m)×身長(m)×22
身長170cmの人の場合:1.7×1.7×22=65.38kg
 65.38kgが標準体重となります

京都府立医科大学 教授 吉川敏一
(日本抗加齢医学会 理事長)

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